配当を決定したため
株式会社産業革新機構 剰余金の配当 平成26年7月2日
は、27年度に新たな官民ファンドとして特定投資業務を開始したことにより、
新規案件の採択を中止した。そのため、株式会社日本政策投資銀行は、図表 1-15のとおり、現に投融資に用いられておらず、今後も用いられる予定のな い資金として、国からの貸付金1000億円のうち、残額である210億円を28年1 月に繰上償還している。
図表1-15 株式会社日本政策投資銀行の競争力強化ファンドの繰上償還の状況
(b) 独立行政法人2法人
独立行政法人2法人は、独法通則法第8条第3項の規定に基づき、その保有す る重要な財産であって主務省令で定めるものが将来にわたり業務を確実に実 施する上で必要がなくなったと認められる場合には、当該財産(以下「不要 財産」という。)を処分しなければならないこととなっている。そして、独 法通則法第46条の2第1項の規定に基づき、不要財産であって、政府からの出 資又は支出に係るものについては、遅滞なく、主務大臣の認可を受けて、こ れを国庫に納付することとなっている。
独立行政法人2法人のうち国庫納付の実績がある独立行政法人中小企業基盤 整備機構の国庫納付の状況は、図表1-16のとおりとなっている。同機構は、
平成23年度補正予算(第3号)で、東日本大震災からの復興のために、海外展 開を行う被災地等の中小企業の経営基盤強化のために25億円、経営資源融合 を行う被災地等の中小企業の資本力強化のために20億円の出資を受けた。そ して、同機構は、24年3月に、前者については中小企業海外展開支援出資事業 を、後者については中小企業経営融合促進出資事業を実施するために、それ ぞれGPとしてサブファンドを組成する者を公募した。しかし、いずれも応 募のない状況が続き、サブファンドの組成の見込みがないことなどから、26 年3月に、これらの政府出資等について、「将来にわたり業務を確実に実施す る上で必要がなくなったため」として、全額を不要財産として国庫に納付し ている。
( 単位: 百万円)
国の会計区分 予算 目的 金額 実施年月日 理由 金額
株式会社日本政策投資 銀行
財政投融資特 別会計
(投資勘定)
平成24年度補正 予算(第1号)
競争力強化ファンドにかかる 業務を実施する ため
100, 000 平成28年1月12日
特定投資業務の開始により 、競 争力強化ファンドでは新規案件 の採択を中止し、業務を確実に 実施する 上で必要がな くなった ため
21, 000 官民ファンド運営法人
政府出資等 国庫納付等の状況
図表1-16 独立行政法人中小企業基盤整備機構による政府出資等の国庫納付の状況
(c) 基金設置法人2法人
補助金の交付を受けて支援を行っている基金設置法人2法人は、交付要綱等 により、支援終了時に残余財産を国庫納付することとなっている。また、支 援中は、「補助金等の交付により造成した基金等に関する基準」(平成18年 8月閣議決定)に基づき、補助金等の交付により造成した使用見込みの低い基 金等を保有する法人は、基金の財源となっている国からの補助金等の国庫へ の返納等、その基金の取扱いを検討することとなっている。基金設置法人2法 人の支援の実施に必要のない政府出資等の国庫納付の状況は、次のとおりで ある。
一般社団法人環境不動産普及促進機構は、図表1-17のとおり、24年度に耐 震・環境不動産形成対策費補助金300億円及び地球温暖化対策推進事業費国庫 補助金50億円の計350億円の交付を受けて耐震・環境不動産支援基金を造成し て、耐震・環境不動産形成促進事業において官民ファンドによる支援を行っ ている。そして、同機構は、27年度に、行政改革推進会議による基金の再点 検や不動産市場の動向等を踏まえ、基金の必要規模を改めて見直した結果、
国土交通、環境両省が支援決定に至る確度が高いと見積もった14案件に要す る額を計300億円と算定して、基金造成額との差額50億円については使用見込 みの低い基金であるとして、その財源となっている耐震・環境不動産形成対 策費補助金43億円及び地球温暖化対策推進事業費国庫補助金7億円の計50億円 を国庫に納付している。
また、一般社団法人グリーンファイナンス推進機構は、地域低炭素投資促 進ファンド事業費補助金の交付を受けて地域低炭素化出資事業基金を造成し て、地域低炭素投資促進ファンド事業において官民ファンドによる支援を行 ている。そして、同機構は、同補助金の補助事業期間が原則として単年度と なっていることから、前年度の補助金の交付額に相当する基金の額のうち支
(単位:百万円)
国の会計区分 予算 目的 金額 実施年月日 理由 金額
平成23年度補正 予算(第3号)
海外展開を行う被災地等の 中小企業の経営基盤強化
2,500 2, 500
平成23年度補正 予算(第3号)
経営資源融合を行う被災地 等の中小企業の資本力強化
2,000 2, 000
官民ファンド運営法人
政府出資等 国庫納付等の状況
独立行政法人中小企業 基盤整備機構
一般会計 平成26年3月28日
経営資源融合を行う中小企業 の資本力強化事業及び海外展 開を行う中小企業の経営基盤 強化事業について 、将来にわ たり業務を確実に実施する 上 で必要がなく なったため
援決定がされなかった額を基金事業等の実施状況等に照らして過大であると 認定している。同機構は、28年度までに同補助金計166億円の交付を受けてい るが、図表1-17のとおり、平成25年度予算14億円のうち計1億余円、平成26年 度予算46億円のうち計12億余円、平成27年度予算46億円のうち7億余円の合計 21億余円を国庫に納付している。
図表1-17 基金設置法人2法人による政府出資等の国庫納付の状況
(注) 複数回に分けて国庫に納付している。
ウ KPIによる政策目的の達成状況等の評価の状況等
官民ファンド運営法人は、対象事業者に対する支援を行うことを通じて政策目的 の実現を図ることとなっており、政策目的の達成状況等を評価するために、KPI を原則として自ら設定している。したがって、政策目的の達成状況等を評価するた めに、政策目的の達成に寄与することができるKPIを設定することが求められる。
国立大学法人4法人の官民イノベーションプログラムは、文部科学省がKPIを設定 して国立大学法人4法人が評価を行い、文部科学省が4法人の評価を取りまとめて官 民イノベーションプログラムのKPIとして評価結果を公表している。
KPIには、個別案件ごとに達成状況を評価するための個別案件のKPIと、法 人全体として評価を行うための法人全体のKPIがあり、ガイドラインによると、
個別案件のKPI及び法人全体のKPIを共に設定して、評価を行うとともに、法 人全体のKPIについては、評価結果を公表することとなっている。そして、官民 ファンド運営法人は、法人全体のKPIの進捗状況や達成状況をA(目標の進捗率 又は達成状況が水準以上)、B(目標の進捗率又は達成状況が水準未満)又はN
(データが入手できない等により評価困難)の3区分に評価して、検証報告において その結果を公表している。また、検証報告によると、事業の進展等に伴い当初設定 したKPIと実情にかい離が生じてきた場合等には、必要に応じてKPIの見直し
..
や新たなKPIの設定を行うことが重要であるとされている。
( 単位: 百万円)
国の会計区分 予算 目的 金額 実施年月日 理由 金額
一般社団法人環境不動 産普及促進機構
一般会計
平成24年度補正 予算(第1号)
老朽・低未利用不動産の改 修、建替え又は 開発を行い、耐 震・環境性能を有する 良質な 不動産の形成を促進する ため の基金を造成する こと
35, 000 平成27年10月13日
行政改革推進会議による 基金 の再点検や不動産市場の動向 等を踏まえ、基金の必要規模を 改めて見直したことによる 。
5,000
平成25年度予算 1, 400 27年1月23日等 (注) 120
平成26年度予算 4, 600 27年11月18日等 (注) 1,290
平成27年度予算 4, 600 28年12月26日 723
基金の額が基金事業等の実施 状況等に照らして過大であ る と 認められたため。
官民ファンド運営法人
政府出資等 国庫納付等の状況
一般社団法人グ リーン ファイナ ンス推進機構
エネル ギー対 策特別会計
(エネル ギー需 給勘定)
地球温暖化対策のための投資 を促進し、二酸化炭素の排出 削減を推進する ための基金を 造成する こと
そこで、官民ファンド運営法人における政策目的の達成状況等の評価の状況につ いて、会計検査院が法人全体のKPIをその設定内容により、政策目的、民業補完 及び収益性に分類し、これらのKPIのうち、政策目的及び民業補完のKPIの設 定並びにそれらの評価の状況をみると、次のとおりである(収益性のKPIについ ては、(3) オ KPIによる収益性の確保に関する評価の状況等を参照)。
(ア)政策目的のKPI
28年度下期における政策目的のKPIの設定及びその評価の状況は、図表1-18 のとおり、官民ファンドによって1項目から11項目のKPIが設定されており、全 14官民ファンドでは、計68項目となっている。そして、それらの評価をみると、
上記68項目のうちAが50項目、Bが8項目、Nが10項目となっている。なお、文部 科学省は、国立大学法人4法人の官民イノベーションプログラムのKPIを28年度 下期に改めて、当該KPIを用いた評価を29年度から行うこととしており、官民 イノベーションプログラムのKPIの評価は、7項目全てNとなっている。